汚染の詳細


汚染原因

ムクロジ自然の里の上流で行われている埋め立て事業地の土砂および、そこから流出する汚染水が原因であることが市の調査により判っています。


(1)埋め立て事業

  • 特定事業申請者 有限会社 建設機構 

千葉市花見川区大日町1535−1 

社長 島田 晃

043-216-1451

  • 面積 22,603平方㍍  
  • 埋め立て土砂量 197,866立方㍍  
  • 期間 2012.9.20から2013.9.19  

完了届けが出ていますが、市は受理していません。

  • 地権者数  十数人
  • 用途

栗山グランドゴルフ場事業として埋め立てを行うと説明しています。


(2)埋立地及び周辺の汚染の状況

  • 流出水の水質調査が2013年6月6日(メダカの会の簡易法)より開始され、以後10月24日(市による公定法)まで8回にわたり実施されました。
  • その結果、市は汚染源は埋め立て地内からのもので在ると結論付け、事業者に対して再三の改善計画提出要求を行ってきました。これに対して、事業者は2015年1月現在応じる姿勢を見せておらず、市は対応に苦慮しています。
  • 土壌検査からも埋設土砂の広い範囲にわたって水素イオン濃度(pH)が安全基準値の9を超え、四街道市の条例に違反している土砂であることが判明しています。
  • 近隣の井戸水も、塩化物イオン、亜硝酸・硝酸イオンにおいて影響が出始めています。硬度も異常に高く、いずれも水道水の基準を大幅に超えている(飲料に適さない)ことが判っています。

枯れた稲の苗
枯れた稲の苗

(3)これまでの経過の概要

  • 2012年9月栗山地区土砂埋立事業が開始されました。
  • NPO四街道メダカの会が簡易的な方法(パックテスト)で水質調査を開始したのですが、あまりの高度汚染のため、市に働きかけ公的な調査機関を介した本格的な調査が実施されました。
  • その結果、汚染源は栗山埋立場であることが突き止められると共に、埋立の許可条件である市の安全基準を大幅に超えるpH(水素イオン濃度)が随所で確認されました。
  • また、汚染の影響が既に近隣の井戸にまで及んでいたことも判明。
  • 2013年12月には、事業者が土砂等を持ち込む時に提出していた土質分析結果と、この時の調査結果とが大きく異なったため、市はその理由を問うと共に改善計画提出を求めました
白い粉 - 硫酸アルミニウムの袋
白い粉 - 硫酸アルミニウムの袋
  • 事業者により肥料と称する大量の白い粉が突如散布されました。(後に撤去処置)
  • 2014年4月には埋立地場内の5地点にてボーリングを行い、地質及び水質の分析調査を市が事業者に命じると共に並行してクロス検査(別の検査機関に依頼して抜き取り検査)を実施し、7月になってその結果が報告されました。
  • その事業者からの報告結果とクロス検査の検査結果において、問題のpH値に大きな差が出たために、市は千葉県環境財団にその異なる理由について調査を依頼、事業者の検査方法に誤りであるとの結論を得ました。
  • 市は2014年7月31日付けにて結果に基づく改善計画の策定を求めましたが、回答なく再び9月25日にも督促する通知を事業者に提出しました。しかしながら、今持って(2015年1月9日現在)無視のままです。
中台の埋め立て現場表示 - 栗山と同じ事業者 - 栗山の問題は未解決であるが…
中台の埋め立て現場表示 - 栗山と同じ事業者 - 栗山の問題は未解決であるが…
  • この同じ事業者が市内別地区の中台において一時堆積場に土砂の持ち込みをしていることが確認されています。

汚染の状況

(1)埋め立て地の土砂が条例の基準に適合していない

 

埋め立て地に持ち込まれ堆積された土砂が、四街道市の条例(※)に違反しています。

 

(※)「四街道市土砂等の埋め立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」

 

条例で定める安全基準9に対して、土壌検査結果ではpH(水素イオン濃度)の最大値が11.1となっています。数値の差2.1は濃度が基準量よりほんの2割程度(2.1/9.5=22%)多いという意味ではなく、約126倍(10の2.1乗)も多いことを示します。

窒素量、塩化物イオン、全硬度など度を越えて高い数値を示していますが、四街道市の条例には安全基準がなく、市は問題としていません。

 

(2)流出水が環境基準を超えている

 

2014年11月4日付けの四街道市の発表では、水素イオン濃度(pH)、COD、亜硝酸イオン、全窒素、塩化物イオン、臭化物イオンなどが環境基準を上回っています。

 

pH        最高値   10.7     「環境基準」8.5以下

COD       最高値   66mg/L   「環境基準」8mg/以下

亜硝酸・硝酸イオン 最高値   29.5mg/L

              「人の健康の保護に関する環境基準」10mg/L以下

                 「生活保全に関する環境基準」1mg/L以下

塩化物イオン    最高値  4,660mg/L  稲作では500~700mg/Lが

                         許容限度

臭化物イオン    最高値   74.2mg/L    海水の場合、65mg/L

 

(3)地下水への影響

 

埋め立て地に一番近い民家の井戸水(資料5ページ目のNo.3-1)の塩化物イオン濃度、硬度が飲水の基準を大幅に上回っています。問題の井戸だけが高濃度の亜硝酸イオンが検出されており、埋め立て地からの汚染水がすでに地下水脈に達しているものと推定できます。

    塩化物イオン 1,420mg/L  一般飲料水(井戸水などの)基準200以下

    硬度     2,110mg/L  一般飲料水(井戸水などの)基準300以下

 

また、広く井戸水への影響を調べるべく埋立地場内に設けられた観測井戸の水質検査からは、更に高度の値が観測されており影響の甚大さがうかがわれます。(資料4ページ目のNo.2)

    塩化物イオン(最高値) 12,800mg/L  

    硬度    (最高値)  5,110mg/L

    

(4)環境への影響と人への影響

 

汚染水により、メダカ等の生物が死滅しました。また、水生植物の立ち枯れが発生しています。

高硬度の水は飲料に適さず、簡易の浄化器での除去が可能かなど明らかではありません。健康被害が懸念されます。

 

(5)埋め立て地が汚染源

 

埋め立て地よりも上流で採取された試料と脇からの流入水採取試料の検査結果がいずれも場内のデータと比較して大幅に低いものであり、埋め立て地の土壌の検査結果が異常値を示していることは、埋め立て地が汚染源であることを示しています。